DMARC などの送信ドメイン認証技術によって認証されたドメインは、より分かりやすい形でメール受信者に提示することができれば、ドメイン認証の効果を具体的に知るよい機会になります。こうした仕組みの一つとして、BIMI*1が知られています。
メール受信者は、MUA*2を利用して受信メールを参照します。これらの MUA 上で認証したなりすまされていないメールが、その送信者のドメインに関連したロゴとともに表示されれば、視覚的により分かりやすく識別できるようになります。
2025年6月時点では、一部のブランド*3だけがBIMIに対応したメールを送信していますが、BIMIの適用が拡大して、さまざまなロゴが表示されると以下のようなメリットがあると言われています。
BIMIに対応したメールでは、送信者のドメインがDMARCやDKIMに対応しており、なりすましメール対策がされている証となります。そのため、メール受信者にとっては、安心してそのメールを閲覧できるようになります。さらに、送信者側にもメールがこれまでよりも開封されやすくなるという効果も期待できるのです。
MUA上でブランドのロゴが表示されていれば、一目でどの送信者からのメールであるか識別しやすくなります。メール受信者にとっては、数多のメールが一覧で並んでいる中から簡単に読みたいメールに辿り着くことができます。
BIMIに対応したメールでは、あらかじめドメインの所有組織とロゴの商標登録組織が一致していること、またその組織の実在性が求められます。これによって、第三者が勝手にロゴを使ってBIMIに対応することを防止しています。現在はVMC*4やCMC*5と呼ばれる専用の証明書が発行できるため、これらを用いてメール受信時に第三者のなりすましではないことを確認することができます。
*1
Brand Indicators for Message Identification
*2
いわゆるメールソフトウェア
*4
Verified Mark Certificates
*5
Common Mark Certificates